第2章 ご近所付き合いは良好に
(…これはひどい。)
食事がはじまり数時間後
私の母、黒尾くんのお母さんとお父さんはベロンベロンに酔っ払っていた。
黒尾「こりゃあひでぇな。」
「うん…。」
研磨「帰りたい…。」
黒尾「いやいや、片付け手伝えよ。」
「あっ!研磨くんはもう帰って大丈夫だよ!片付けは私がやるし酔っ払いは黒尾くんがなんとかしてくれるだろうし。部活で疲れてるのに遅くまでごめんね。」
研磨「…やっぱりもう少しだけいる。俺も夕飯食べたんだから片付け手伝うよ。それから…」
「それから…?」
研磨「…何だかんだ言って楽しかったから謝んないで…」
黒尾「おー、1日目にして研磨がデレた。」
黒尾くんは研磨くんの頭をくしゃくしゃと撫で回す。
研磨「ちょっ、何!?別にデレてないから」
(なんか、微笑ましい。研磨くん、赤くなってるし。)
「研磨くん!ありがとう!」
研磨「!…うん。」
(なんか研磨くんさらに赤くなった?…気のせいかな。)
それから、黒尾くんがご両親をベットに、私の母をソファに寝かせてくれて、
私と研磨くんで洗い物やゴミの片付けをした。
「ふぅ、こんなもんかな?」
黒尾「だな。おつかれ。」
そう言ってまたポンと頭を撫でられる。
今度はさっきとは違う感じで彼は赤くなることなく私の顔を覗きながらはにかんだ。
たぶん、これは何にも意識してないスキンシップ…。
それでも私の心臓は早鐘を打ってしまうのだった。
研磨「…俺もう帰るから。」
そう言っていそいそと玄関から出ようとする研磨くんを焦って止める。
「待って!こんな時間まで引き止めちゃったから送ってくよ!」
研磨「…家、斜め前なんだけど。」
「うん、それでも!」
黒尾「はぁ、違うだろ。」
と黒尾くんがやれやれといった表情をする。
研磨「確かに、送るにしても違うよね。」
研磨くんもちょっとムスっとした感じで言う。
「??」
黒尾/研磨「俺ら(俺たち)があんたを送るんだろ(でしょ)」
「!!と、隣だよ!」
黒尾/研磨「うん、それでも。」
したり顔の黒尾くんとちょっといたずらっ子のように笑った研磨くんに言われ言い返せなくなる。
「じゃあ、えっと、お願いします。」