《モブサイ》サギ師のあなたに脱がされて (霊幻/R18)
第5章 嫉妬とキスをかき混ぜて
「何って、見りゃわかるだろ。ゆめを助けていたんだ」
「本当か? なら、その手に持っているものはなんだ?」
霊幻さんがエクボを睨みつける。
手?
エクボは「ああ」とうなずき、握っていたものを広げた。
「これはゆめのパンツだな」
堂々と風にはためく白のショーツ。
「きゃあっ!? ちょっとエクボ! 見せなくていいから!」
冗談じゃない。なんで霊幻さんの前で広げるの!? 中学生のモブくんまでいるのに!
「っ……!!」
慌てて目を隠すモブくん。
ほらやっぱり! こんなの見せられてモブくんがかわいそうでしょ!?
「エクボ、てめぇ! ゆめに何を……!」
霊幻さんが唇を噛んだ。かなり怒っている。
「おいおい、怒る相手が間違ってるぞ、霊幻。パンツを脱がせたのはそっちの男だ。俺様が助けなきゃ、ゆめは犯されていたんだ。おまえなぁ、助けに来るならもっと早く来いよ」
霊幻さんはふてくされたように頬を膨らませた。
「仕方ねぇだろ。依頼人を断るのに時間くったんだ。これでもゆめに電話をもらってから、すぐに除霊を切り上げてモブ呼んで駆けつけたんだぞ」
そうだったんだ。
霊幻さん、ちゃんとあの電話で気づいて助けに来てくれたんだ。仕事まで断って……。
胸にじんわりと嬉しさが込み上げる。会えない日が続いて不安もあるけど、やっぱり霊幻さんは私のことを考えてくれている。
「帰るぞ、ゆめ。実習はもうとっくに終わっちまっただろうしな。歩けるか? タクシーでも呼ぶか?」
霊幻さんが手を差し出す。
「大丈夫です。歩けます」
立ち上がろうとすると、エクボが「ちょっと待て」と突然止めた。
「どうしたの?」
不敵な笑みを浮かべる上級悪霊。
「なあ、霊幻。そういえばゆめをつついてみるって約束だったよな? ついでに試すか?」
「は!?」
霊幻さんが顔色を変える。
何? なんの話?
エクボは私を離すどころか、さらにギュッと腕に力を入れた。