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《モブサイ》サギ師のあなたに脱がされて (霊幻/R18)

第5章 嫉妬とキスをかき混ぜて


「この変態ゲス野郎! ゆめに手を出してるんじゃねぇ!」
男性の怒号が響き渡る。

助かった……?

目を開けて起き上がると、足元に男が転がっていた。苦しそうにお腹を押さえて呻いている。そのすぐ横に黒いスーツを着た男性が立っていた。背が高い。

霊幻さん?

……じゃない。全然知らない人だ。

黒スーツの男性はこちらを振り返った。
「おい、ゆめ。大丈夫か? まだヤラれてはねぇだろ? 俺様が傍にいながらゆめが犯されでもしたら、シゲオに怒られちまう」

「え? 守衛……さん……?」

この人、見覚えがある。最近よく大学の門の前に立っている守衛さんだ。この一ヶ月、急に大学の警備員が増えた。この守衛さんも最近雇われた人だろう。でも、なんで私の名前を知ってるの?

守衛さんはニッと笑うと、しゃがんで私の手を取った。

「おいおい、頼むぜ、ゆめ。おまえも霊能力者のはしくれだろう? 俺様だよ。わからねぇか?」

俺様?

私はもう一度守衛さんの顔をじっと見つめた。

「もしかして……エクボ?」

「そうだよ。この体のほうがバカをぶっ飛ばすには都合がいいからな」

手を引っ張って立たせてくれる。さすが体が大きいだけあって力が強い。

「でも勝手に憑依しちゃって大丈夫なの?」

「ああ、構わないだろ。この守衛には前に一度取り憑いたことがあってな。もう俺様の体みたいなもんよ」

エクボは確かめるように腕を回した。

「『取り憑いたことがある』?」

どういうこと? 守衛さんと知り合いなの?

エクボは肩をすくめた。
「前にシゲオたちと超能力者集団の秘密結社に乗り込んだことがあってな。この男はそこで守衛をやってたんだよ。でもまさかゆめの大学で再会するとはなぁ。シゲオが建物ごとふっ飛ばしちまったから、ここで再就職してたんだろうな」

「…………」

「なんだよ。納得してない顔だな。緊急事態だったんだよ。それともこんな得体のしれない男に犯されたかったのか?」

エクボは倒れている男の体を足でつついた。


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