《モブサイ》サギ師のあなたに脱がされて (霊幻/R18)
第4章 チョコより甘く愛されて
「やっ……ちょ、ちょっともうっ……」
ゆめが俺から下りようとする。
させるまいと彼女の背中に手を回した。ぐっと抱きしめたまま、片手は尻を弄り続ける。
「もう下りるのか? 自分から乗ってきておいて」
「っ……」
顔が赤い。少し瞳が潤んでいる。不意打ちでドキッとするような色っぽい顔をするんだよなぁ、こいつ。
「ゆめ……好きだぞ……」
彼女の顔を見ていたら自然と口をついて出た。いってしまってから、恥ずかしくなってくる。
「霊幻さん、私も」
嬉しそうに微笑むゆめ。きれいだ、本当に。
俺はずっと一人だったんだ。
会社を辞めてこの商売を始めたころ、客のこない相談所でいつも一人で煙草を吸って時間を潰していたものだった。
ある日小学生のモブが相談所に訪れ、次の日から毎日来るようになった。そして、たまたま客として訪れたゆめを成り行きで雇うことになった。
気づけば俺は一人じゃなくなっていた。煙草もやめていた。
モノクロだった俺の世界は、モブやゆめのおかげで色鮮やかなものに変わったんだ。
いつからか俺はゆめを特別な存在として見るようになっていた。
詐欺師の俺が恋人なんか作ってどうするんだ。いつか正体がバレる日がくるんだぞ。そのときに俺はこいつをがっかりさせちまう。
――でも、ゆめへの想いは止められなかった。
「ゆめ……」
彼女の頭に手を添え、優しく引き寄せる。
唇が重なり、俺たちは本能のままに求め合った。
「ん……んっ……んぅ……」
ゆめの声はなんでこんなにも俺の心を掻き乱すのか。
『常に冷静な判断を』
そう考える俺から理性も何もかも奪っていく。残るのは俺には似合いもしない動物的で荒々しい欲望だけだ。
「っ、ゆめっ……」
絡みあう舌が熱い。唾液が混じり、欲情に火をつける。