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《モブサイ》サギ師のあなたに脱がされて (霊幻/R18)

第4章 チョコより甘く愛されて


《霊幻side》


「さてと……で、なんでそんなところに突っ立っているんだ?」

スーツの上着を脱いだ俺はベッドに腰掛けた。片手で素早くネクタイを緩める。

ゆめはというと、部屋の入り口で固まったままだ。そういえば、付き合い始めてラブホに来たのは初めてだな。

「えーっと……」
ゆめがおどおどと部屋を見回した。

なんだその反応。

俺はじっと彼女を見つめた。

「おまえ、まさかここに来て緊張してんのか? 自分から誘ったくせに」

「だ、だって……! いきなりは……」

ゆめが目をそらす。

お泊まりしていきませんか、なんてゆめにしては大胆なこというからびっくりしたが、やっぱりそうだよな。

「あ、もしかして部屋に霊でもいるのか? 霊に見られながらするのは嫌だぞ?」

「いないですよ! 霊なんて! 霊幻さんだってわかるでしょう!?」
ゆめが軽く睨んでくる。

俺は鼻を押さえた。
「ん〜、どうかな。今は鼻が少し詰まってるからな〜。霊がいるかよくわからんな」

「鼻づまり関係あるんですか!?」

「俺くらいになるとな」

ったく。そこツッコむなよ。

俺はベッドの上をポンポンと叩いた。

「いいから、ここに来い」

ゆめが不安そうに顔を歪める。
「来いっていわれても……霊幻さん、なんだか余裕ですね」

「は?」

余裕? 俺が?

「ラブホに来るの慣れてるんですか?」

「はあっ!?」

おいおい、慣れてるわけないだろ……。誰と来るっていうんだよ。ゆめと過ごすとき以外は、ほとんど相談所にいるんだぞ?

俺はため息をついた。
「慣れてないが、いい年した男がホテル入ってビクビクしてんのもカッコ悪いだろ。これでも頑張ってんだよ」

「本当に?」

「本当だよ」

ゆめはようやく部屋の中に入ると、ドアを閉めた。バッグをソファに置き、ゆっくりと俺の前に来る。


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