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《モブサイ》サギ師のあなたに脱がされて (霊幻/R18)

第4章 チョコより甘く愛されて


「ゆめさんの霊能力はすごいと思います。威力は弱いかもしれないけど、敏感に霊の気持ちを感じ取れるし」
話を聞いていたのか、モブくんがフォローしてくれる。

「そ、そうかな?」

「はい。超能力者と霊能力者は得意とする分野が違いますから」

そうかなぁ? モブくんの強い力は万能な気がするけどな。結局、毎回モブくんが除霊してくれてるし。正直ここでバイトさせてもらっていても役に立てている気がしない。辞めたほうがいいのかなって思うときもたまにある。

私はぼんやりと霊幻さんを見つめた。

流暢に喋りながら、女性からより詳しい霊の話を聞き出している。

「で、ゆめは霊幻のヤローに告白はしたのかよ? おまえさん、惚れてんだろ? はたから見てりゃバレバレだぜ?」
エクボが楽しそうにまた耳打ちしてくる。

「…………」

告白どころかもう付き合っている。でも、私と霊幻さんじゃ釣り合わないのかもしれない。

霊幻さんは強い霊能力を持っているうえに喋りもうまく頭がキレる。本当に私と付き合って満足しているんだろうか? 今日のバレンタインだって朝からずっと仕事をしていて、恋人の私と一緒に過ごす気はなさそうだ。


「それでは先に帰ってご自宅でお待ちいただけますか? 除霊の準備ができ次第、我々もそちらに向かいますので」
霊幻さんの言葉に依頼人は席を立った。

「では霊幻先生、お願いしますね!」

「はい。また後ほど」

女性が相談所を出ていく。

霊幻さんは息を吐いた。
「……と、いうわけだ。ちゃんと話を聞いていたか? 依頼人の家に霊が出るようだな。相談所を閉めて今から向かおうと思う」
いつも通りのクールな表情。完全に仕事モードだ。

「「わかりました」」
私とモブくんは同時に頷いた。

「ああ、今回はゆめだけ一緒に来ればいい。モブはもう帰れ。そろそろ夜になってきたからな。中学生を遅くまで連れ回すわけにはいかない。ほれ、今日のバイト代だ。気をつけて帰れよ? お疲れ」

え!? 私だけ!?

驚いて霊幻さんを見る。


 
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