第2章 幼馴染編
「おい。 七瀬、立てよ」
私の前に手を差し伸べてくる雄大。
(くそ。 カッコつけやがって)
そう思いながらも負傷中の私は仕方がなく、おとなしくそれに従う。
しかし、手を掴んで立とうとするが、足に力が入らない。
きっと今でも真っ赤な膝のせいだ。
「・・・まさか、立てないとか言うんじゃないだろうな?」
そ の 通 り で ご ざ い ま す 。
俯いて無言になる私を見兼ねて、彼はハァーっとため息をついた。
その次の瞬間、私の身体がフワッと宙に浮いた。
「!?」
目の前には雄大のしてやったり顔がさっきよりも近くに。
私は、ポカンと口を開く。