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幕末の華

第1章 時空を超えて


瑞希「あ、あの......!」

???「お前、殺されてえのか......さっさとここから消えろ」

男性の視線と言葉が私の方へと鋭く向けられた。

瑞希「待っ......」

思わず引き止めようと、足を踏み出した時...。

(今度は何...?!)

ぐらりと足元が揺れる感覚に襲われ、私は額を抑える。

そして私は再び、暗闇の中へ落ちて行った...。




............















鳴り響く目覚ましを止めると、私はベッドの上に起き上った。

辺りを見回し、大きくため息をつく。

(あまり覚えてはいないけど、変な夢だったな......)

私はベッドを出て、仕事に出る準備を始めた。

(そうだ。確か今夜は......)

............

会社での仕事を終えた、その夜。

瑞希「池田屋って、ここだ」

学生時代の友人達との飲み会に参加するため、私は居酒屋「池田屋」を訪れていた。

(なんだか雰囲気のある居酒屋だな......)

池田屋の中は、にぎやかな人の声やざわめきで溢れていた。

(金曜日だからかな、すごく混んでいるみたい)

考えながら階段を上ろうとすると、その先に見知った人の姿を見つける。

瑞希「あ......」

篠宮「先輩、久しぶり」

それは学生時代の後輩、篠宮恭だった。

瑞希「遅くなってごめんね」

篠宮「来てくれて良かったよ。あいつら、うるせえから」

瑞希「うん......」

篠宮くんの言葉に笑みをこぼした時、階段でほかのお客さんとすれ違う。

瑞希「......っ」

狭い階段ですれ違ったために、私は持っていたカバンを落としてしまった。

瑞希「あ......」

篠宮「大丈夫?」

私は階段に散らばってしまった荷物を拾い上げる。

瑞希「うん、平気」

そのとき不意に、一つ下の段に見知らぬ手紙が落ちていることに気付く。

(あれ?私、こんな手紙持ってたかな)

手紙へと手を伸ばした、その瞬間だった。

瑞希「......!?」

めまいがすると同時に、脳裏に何かの光景がよぎった。

(え......?)

そして指先が手紙に触れた途端...。

篠宮「......先輩?」

篠宮くんの声が遠く聞こえ、あわてて階段を駆け下りてくるのが分かる。

篠宮「ちょ......っ、嘘だろ」

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