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幕末の華

第3章 坂本龍馬編☆第一話♡


何の会話もないまま、龍馬さんがひと気のない道を歩いていく。

胸の奥がむずがゆくなるような感覚に、息をついた。

(なんだろう、この感じ......)

揺れる龍馬さんの髪を見つめながら、私はそっと尋ねる。

瑞希「重く、ないですか?」

するとすぐに、龍馬さんが不機嫌そうに答えた。

龍馬「思いに決まってんだろ」

私の身体をおぶいなおす龍馬さんの仕草に、身体が揺れる。

瑞希「っ......」

龍馬さんはそれ以上文句を言うこともなく、歩き続けてくれた。

(四季に向かってる。送っていってくれるんだ......)

触れる龍馬さんの背中の暖かさを感じながら、思う。

(龍馬さんって、一体どういう人なのかな)

☆。、☆。、☆。、☆。、☆。、☆。、☆。、☆。、☆。、

やがて四季のお店前まで来ると、龍馬さんが私の身体を静かに降ろした。

龍馬「あー、疲れた......」

肩を回す龍馬さんの顔を覗き込むように、私は口を開く。

瑞希「あの、ありがとうございました」

(結局、最後までおぶっていてくれた......)

お礼を告げると、首の後ろに手をあてる龍馬さんと目が合った。

瑞希「あの、少し休んでいってください」

☆。、☆。、☆。、☆。、☆。、☆。、☆。、☆。、☆。、

私は予備として用意していた下駄に履き替えると、
部屋を出て四季のお店の中へと戻っていった。

瑞希「お待たせしました」

するとお店の中には一人、机に頬杖をつく龍馬さんの姿がある。

私の姿を見つめると、龍馬さんが静かに口を開いた。

龍馬「お前、今から何か作れねえの?」
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