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幕末の華

第1章 時空を超えて


その夜も私はいつも通り、ベッドの上で寝ているはずだっ
た。

瑞希「ん......」

目を覚まし、ゆっくりとまぶたを開く。

すると...

(あれ......?)

目の前に広がっている見知らぬ光景に、私は目をわずかに瞬かせる。

(ここは、どこだろう......)

目の前の階段を見上げると、

静寂の中で息をついた。

(変な夢......)

そして階段を上ろうと軋む床を踏んだ、その時...

「御用改めである......!全員動くな!!」

突然、鋭い声が響き何かが壊れる大きな音が静寂を引き裂
く。

瑞希「え......っ」

驚き動けずにいると、そのうちに階段の上のほうから、

何か金属がぶつかり合う音や人のうめき声が聞こえてきた。

(何?何が起こっているの......?)

思わず後ずさった、その瞬間...。

???「どうしてここに......」

後ろから低く戸惑うな声が聞こえてきた。

(え...?)

振り返ろうとした途端、

何かを突き破るような大きな音が耳に届く。

男「うわ......っ」

驚くまま視線を向けると、階段の上から見知らぬ人が転がり落ちてくる様子が見えた。

瑞希「......!」

驚きに息をのむと同時に、後ろから腕をつかまれる。

(...あっ)

私の身体を乱暴に引き寄せると、先ほど声をかけてきた男性が、私の耳元近くで告げた。

???「っ......今すぐここから逃げてください」

瑞希「え......っ」

顔を上げる間もなく、私の身体はすぐに、建物の外に突き出されてしまった。

そして...

(ここは......?)

外に出ると、建物の看板が視界に飛び込んできた。

瑞希「池田、屋......?」

(どういうことだろう......これは、夢なんだよね......)

鼓動が大きく跳ね思わずよろけると、誰かの身体に背中が当たる。

(え......)

わずかに抱き止めめられた感覚に、振り返る。

瑞希「っ......」

???「......」

そこには強い風に髪を揺らす男性の姿があった。

その人の強い目は、私ではなく池田屋に向いていた。

???「動き始めたな」

眉を寄せどこかくるしそうに呟くと、何も言わずに去っていこうとする。

(何が起こっているのか、聞かないと......)
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