• テキストサイズ

【イケメン戦国】月の兎は冬に焦がれる

第7章 実利主義






「お、今日の飯もよく出来てるじゃねぇか。

色合いも盛り付けもいいぞ!」


眼帯に、蒼い目が印象的な彼は料理男子なのか、器を手に取りしげしげと観察している。



「俺用に七味の筒を?…あんた、気が利くね」


七味の瓢箪を抱えて礼を言う彼は、鋭い目つきだけれど何処か可愛らしい。



「秀吉様、お茶が未だですね!お持ち致します」
「大丈夫だ、お前は座っておけばいいぞ、な?三成」



女性と見まごう程に美しい彼と、なんとも優しそうな主人らしき男性はにこやかに談笑している。そして、信長様の次に控えている男性…


白銀の髪がさらさらと艷めく下に、鷹のように鋭い琥珀色の瞳。
これまた作り物の様に美しい人が、こちらをじっと見ているのに気づく。
食事が未だだったかな、と思い当たるけれど、彼の前にもとっくに配膳は成されている。


しかし彼が目配せをした先、彼と向かい合うような席には誰もいない事に気付く。
どうやら配膳も未だらしい…
人垣を縫って進むと、その彼が空いた席を指し示してくれた。



「彼奴もすぐに戻るだろう。そこに置いてやってくれ」
「畏まりました!」



優しい言い方から察するに、此処が姫の席なのだろう。
ちょうど良かった、戻って来られたらご挨拶とネタばらしをしよう、と…
主のいない席に配膳を進めていく。


/ 258ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp