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【降谷零・安室透】そばにいさせて《ゼロの執行人編》

第2章 ゼロの執行人


綺麗に食べ終わり、追加のコーヒーを飲んでいたところでカランカランと扉の開く音がしてそちらを向く。
入ってきたのはこれまた見知った顔だった。
「あっ、澪さん、堂上さん、おはよう」
「あら、コナンくんおはよう」
「おはよう」
とある事件をきっかけに知り合いになり、更には安室やさくら、二宮の本当の所属を知る数少ない人物、江戸川コナンが居候先の毛利蘭とともにやってきた。
「蘭ちゃん、おはよう。今日は毛利先生はいないのね。ネタになる話が聞けると思ったのだけれど」
「おはようございます。恥ずかしながら…父は二日酔いで寝てたので置いてきちゃいました」
「相変わらず苦労が絶えないわね」
コナンも蘭の言葉に本当に仕方ねぇなという表情を浮かべてははは、と乾いた笑い声を出す。しかしぱっと表情を切り替えてとてとてとさくらのそばにきてじっと見上げてくる。
「澪さん今日は堂上さんと来たの?」
子供らしい少し高い声とは裏腹にその眼鏡の奥の瞳が鋭くなり、さくらは瞬時に探られていることに気がつく。
「この後ね、堂上君の研究室に行くの」
安室たち3人の正体を知っているコナンはその3人が揃っていることで、何かがあるのだろうかと疑惑の眼差しを向ける。
実際は今度行われるサミットの警備会議の資料を降谷に渡し、この後は二宮と会議前の最終の打ち合わせを行う予定だった。
サミットの警備ということで、とくにコナンが気にするような事件は何一つもない。
「そっかー」
「澪先輩、そろそろ行きましょうか」
「あら、けっこう長居しちゃったわね。安室さん、梓さんごちそうさま。コナン君と蘭ちゃんまたね」
二宮に声をかけられたさくらはお会計を済ませると店を後にする。2人がしばらく歩いた先の駐車場には二宮の車が停めてあり、その車に乗り込むと目的地に向けて走り出した。
向かう先は大学ではなく警視庁。2人はもう相沢さくらと二宮晴人の顔に戻っていた。
「相変わらずコナンくん怖っ!ポアロで待ち合わせはやめた方がいいかもね」
「そうですね。こっちの正体を知ってるとはいえ、あまり事件に首を突っ込まれるのも問題があるかと」
車内でそんな会話がされているなど、当のコナンは知る由もなかった。
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