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【降谷零・安室透】そばにいさせて《ゼロの執行人編》

第2章 ゼロの執行人


「わかった!」
降谷はニヤリと笑みを浮かべるとアクセルをさらに踏み込む。スピードメーターの針が180キロを超えて振り切れる。
助手席のコナンは緊張した面持ちでシートベルトを締め直した。
猛スピードで直線道路を駆け抜けた降谷は急ハンドルを切った。左のタイヤが浮いて片輪走行で渋滞に突っ込んだRX-7は、車の間をすり抜け、キャリアカーの荷台を猛スピードで駆け上がって大きくジャンプした。
側壁を越え、モノレールの車両の上に着地する。さらに、モノレールの上を走ったRX-7は反対方向の走行路に飛び降りた。
『降谷さん!』
今度はスピーカーから風見の声が聞こえてくる。カーナビの画面にはハンズフリー通話中の表示が出ていて風見から着信があったことが分かる。
『カプセルのパラシュートが外れて加速しています!』
「それで!?」
『NAZUから予測落下地点が出ました!!このままじゃ、あと5分でカジノタワーに落下します!データを転送します!』
電話が切れてコナンはすぐにスマを見る。焦りでどうしていいか思考がまとまらない。降谷のイヤホンごしに会話を聞いていた相沢も急いでパソコンのキーボードを叩く。
『ッ!降谷さんっ!前方からモノレールが来ます!!』
コナンが視界の端に光るモノレールのヘッドライトを認識したと同時に、降谷のイヤホンへさくらの焦った声が届く。
「安室さん!」
降谷は窓から顔を出したコナンの襟首をつかみ、座席に引き戻した。
「しっかりつかまってるんだ!」
「安室さん!どうするの!?」
このままでは正面衝突してしまう。コナンが運転席を見るとハンドルを握った降谷は今までに見たことがないような笑みを浮かべていた。
降谷がシフトチェンジをしてアクセルを思い切り踏み込む。モノレールをが迫り、コナンの目にヘッドライトが眩しく映る。
ぶつかる!コナンが思わず目を閉じるとRX-7はサイドミラーをモノレールにぶつけ、破損しつつも正面衝突する寸前にモノレールの左側の側面を片輪で走っていく。
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