【降谷零・安室透】そばにいさせて《ゼロの執行人編》
第2章 ゼロの執行人
人気のない警視庁の入口付近で風見は2人の部下と二宮とともにプラスチック爆弾を取り囲んだ。
「公安鑑識が押収した爆発物の中で、最も威力の大きい物です」
「足はつかないのか?」
風見が電話をかけながら聴くともう1人の部下がすぐさま答える。
「廃棄期限が迫っているため、記録さえ書き換えれば大丈夫です」
「俺の方ですぐに書き換えを行います」
二宮は手元のタブレットを操作してすぐに情報の書き換えを行なう。起爆用の携帯電話を着けられたプラスチック爆弾は阿笠博士たちの協力でドローンによって運ばれて行った。
警視庁の屋上のヘリポートでは降谷が両手で2台のスマホを持っていた。右手に持つスマホに番号を打ち込み、コールボタンに親指を近づける。
タイミングを計り、降谷が通話ボタンをタップするとプラスチック爆弾の携帯電話に着信が入り爆弾の回路が作動する。
ドオオオオオオン!
凄まじい爆発音と光が放たれる。
しばらくすると降谷のもとに着信が入った。
「ああ、了解……成功したよ」
降谷がコナンにスマホを返しながら言うと、相手は安堵した表情をみせる。
「よかった」
その後、日下部を連行させ、風見が橘を追うのを見送った。