【降谷零・安室透】そばにいさせて《ゼロの執行人編》
第2章 ゼロの執行人
コナンと降谷は東京地検で犯人である日下部を追い詰めていた。降谷は逃げる日下部を追い、足を止められた日下部は降谷に殴りかかってくる。それをすばやくかわし、日下部の肘と肩を押さえて歩道に倒し、それ以上抵抗できないように両腕を後ろ手にして締め上げる。
「日下部検事。あなたがテロを起こした動機は、本当に公安警察なのか!?」
「……サミット会場が爆破され、アメリカの探査機が東京に落ちれば、公安警察の威信は完全に失墜する」
「なぜそこまで公安警察を憎む?」
日下部は背後の降谷に顔を向け、忌々しいものでも見るように睨みつける。
「お前らの力が強い限り、我々公安検察は正義をまっとうできない!」
「正義のためなら人が死んでもいいのかよ!?」
追いかけてきたコナンが叫ぶように日下部に向かって言い放つ。
「民間人を殺すつもりはなかった!だから公安警察しかいないときに爆破し、死亡者が出にくいIOTテロを選び、カプセルを落とす地点もあそこを選んだ!」
普段ならはっきり見える警視庁もいまは停電しているために暗闇に紛れて見えにくいが、日下部はその建物を見上げる。
自分勝手な正義を掲げる日下部に対して降谷は怒りを通り越して冷めた瞳で見下ろしていた。コナンが次々と日下部の動機を暴いていくのを見守っていた。