【降谷零・安室透】そばにいさせて《ゼロの執行人編》
第2章 ゼロの執行人
降谷は大きく目を見開いてコナンを見返す。今までに自分たちが掴んでいる情報を頭の中で思い出していた。
「事の発端は『NAZU不正アクセス事件』だよ」
「それは去年起きた……」
言いかけて降谷は頭の中の情報と重なる部分があり、ハッと気がついた。
「羽場二三一か!?」
「羽場さんは去年、拘置所で自殺してるよね?」
「ああ……ちょうど去年の今日だったな……」
「去年の今日……!?」
「くそっ!そういうことか!」
いつも冷静な降谷が突如冷静さを欠いて舌打ちを漏らす。その表情は視線だけで人を殺してしまいそうな程でコナンは目を見開く。
「安室さん?」
「……相沢が階段から落ちて意識不明だ。彼女の部下の報告では相沢は何かを掴んでいたらしい。それに、彼女も羽場の件に絡んでいた」
「まさか犯人に!」
「その可能性が高い」
会話をしながら2人は今日のニュースを頭の中で反芻させる。予定どおりなら今日は無人探査機はくちょうが地球に帰ってくるはずだ。
2人は同時に答えに行き着きはっと顔を見合わせる。
「そうか……なんてことだ」
「きっとまだ犯人の復讐は終わってない!!」
コナンはスケボーに飛び乗り道路を駆け抜ける。降谷もその後を追って車を発進させた。