【降谷零・安室透】そばにいさせて《ゼロの執行人編》
第2章 ゼロの執行人
スケボーに乗ったコナンは降谷の車に気がついたのかスケボーのスピードを緩めるとターンして止まる。降谷も車を路肩に寄せて止まった。
「僕が来ることがわかっていたようだね」
「初めに違和感に気づいたのは、あの時だよ」
コナンはズボンのポケットからスマホを取り出す。
「博士に調べてもらったら、遠隔操作アプリが入ってた。アイコンが残らないタイプのね」
コナンは小さな違和感が積み重なり確信に変わった時に博士にスマホを調べてもらっていた。スマホを見失った時、充電の減りがやけに早かった時、そして……捜査会議を盗聴していたら降谷がどこからともなく現れた時……
「公安が仕込んだ証拠は?」
「なかったよ。さすがにね」
「せっかくわかったのに、なぜアプリを抜かなかった?」
「今から犯人に会うからさ」
「まさかテロの犯人が……!?」
安室は驚きコナンを見つめる。まだ、自分が辿り着いていない犯人が分かったという相手に驚かざるを得ない。
「うん、動機もね」
前を向いたままだったコナンは降谷の方を向くと厳しい顔つきになり、キッと相手を睨みつける。
「動機は安室さん、アンタたちだ!」