• テキストサイズ

【降谷零・安室透】そばにいさせて《ゼロの執行人編》

第2章 ゼロの執行人


二宮によるとこの現象は都内の限定的な地域だけ。都内と言ってもかなりの広さがあるが、もしも本当に日下部が犯人ならばアクセスポイントは霞が関からそう遠くない場所に絞られるはずだと思考を巡らせる。
追跡を試みるもノーアによって弾かれ続ける。しかし、しばらくするとひとつのアクセスポイントが地図上に点滅した。
「見つけた!」
幸運なことにここからはそう遠くはない。公共のWiFiのようだが、行ってみるしかない。それに、おそらく足がつかないようにプリペイド式のスマホか白ロムでも使っているだろうが本人さえ抑えてしまえばいい。
さくらはパソコンをしまうと頭に叩き込んだアクセスポイントへ走っていく。
「はぁっ、はぁっ」
もう少しで着く、いまだ街中でIOTテロは続いているのでおそらくまだいるだろう。この歩道橋を渡りきれば目的地付近だ。
階段を登りきろうと足を踏み出した時、黒いパーカーを目深に被った人物とすれ違う。
ほんの小さな声だったが確かな殺意をもって放たれた言葉はさくらの耳へしっかり届いていた。
「死ね」
「っ!!」
ドンッという衝撃を受けたと思えば、一瞬の浮遊感を感じて今しがた登ってきた階段を一気に転げ落ちる。自分の意思では止められずに歩道へと身体は投げ出された。
全身が痛み呼吸がままならない。頭も強く打ったようでズキズキと痛かった。
相手の顔を見ようと頭を動かそうとするも痛みで動かない。うまく呼吸ができずにだんだんと意識が朦朧としていき、そのまま視界はブラックアウトした。
/ 51ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp