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【降谷零・安室透】そばにいさせて《ゼロの執行人編》

第2章 ゼロの執行人


「再捜査の依頼?」
「はい、不自然だとは思いませんか?日下部検事から刑事部へ依頼があったそうです。彼の上司の岩井統括は公安の言いなりになっているはずですよね」
二宮が籍を置いている大学院の研究所の一室、さくらと二宮はお互いにノートパソコンを広げて向かい合って座っている。
二宮の言葉にさくらは眉を潜め、口元に手を当てて今までの出来事を自分の中で振り返り、何かを思い出したかのようにキーボードを叩き始めた。
「犯行にはノーアが使われていた……そして、日下部検事……」
さくらは目的の資料を引っ張り出すと画面に表示させ、ぐっと眉間に皺を寄せる。1年前に起きた忘れたくても、忘れられない事件の資料がそこには映し出されている。
「相沢さん?」
「まだ証拠が揃わない…でも、マークする必要はある」
「わかりました、俺は今から捜査会議に出ないといけないので送ります」
二宮は自分のパソコンや広げた資料を片付けながらさくらに言葉をかける。
「そろそろ、刑事部も公安の強引なやり方に疑問を持ち始めるでしょう。そうなったら、これ以上黙らせることが難しくなってきます」
「ええ、犯人をいい加減見つけなければ、サミットも始まり各国からの風当たりも強いわ ……ノーアブラウザが使われていることも分かったし、NAZUに追跡できるシステムがあることも分かった。事件化できる材料は揃ったわ。あとは、降谷さんの判断かな」
さくらは神妙な面持ちで自分のパソコンをシャットダウンすると資料とともに片付けて立ち上がった。
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