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【降谷零・安室透】そばにいさせて《ゼロの執行人編》

第2章 ゼロの執行人


ポアロを出たさくらは更に調査を進めるためにその足で警視庁へ向かった。警視庁公安部の中にも用意されている自分のデスクへ向かう。
公安部の中は人が忙しなく行き交い、ピリピリした空気だったが、さくらが来たことに気がつくと公安部のメンバーは口々に挨拶を交わす。
さくらが降谷の部下になってすぐは、警察庁内からの風当たりが強かった。若い女のくせに務まるのかなどど、心無いことを影で言われることもあった。
きっと警視庁公安部でもそうだろうなと覚悟を決めていたのだが、そのようなことは稀有に終わり、公安部のメンバーがさくらを暖かく迎えてくれたのはもう数年も前の話しだ。
気づけばさくらのデスクに缶コーヒーやらお菓子やらが積み重なっている。
「ちょっ!みなさんありがたいですが、量が多すぎやしませんか!?」
焦った声を出せば周りからは「相沢さんは根をつめすぎ」だとか「ちゃんと仮眠してくださいよ」などと言われる。
「みんな相沢さんのことが心配なんですよ」
いつの間にか立っていた二宮が慣れた手つきで紙袋に積まれた缶コーヒーやお菓子を入れていく。
「ここに置いときますね」
二宮は仕事の邪魔にならないよう紙袋を隣のデスクに置く。そこは本来なら公安部内の降谷のデスクだが本人は1週間に1度、下手したら1ヶ月もここには現れないのでまぁいいだろう。
「みなさん!ありがとうございます!!」
さくらは立ち上がり頭を下げる。ピリピリとした空気が少しだけ和み、余裕をもった気持ちで調査を進めることができた。
その後、珍しく公安部に顔を出した降谷に「俺のデスクは物置きじゃない」と珍しく一人称が俺になるくらいに怒られたのはまた別の話しだ。
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