【降谷零・安室透】そばにいさせて《ゼロの執行人編》
第2章 ゼロの執行人
コナンと灰原が阿笠博士の家でテレビを見ていると突如ニュース速報が流れ始めた。
エッジオブオーシャンの国際会議場で大規模な爆発があったとの情報だ。
「もしかしたらテロかもしれない」
「じゃがサミットは来週じゃろ?事故かもしれんぞ」
阿笠博士の言葉にコナンは確かにと、考えを改める。その間にふたたび博士は子供たちに呼ばれて行ってしまった。
「言われてみれば、サミット前にテロを起こしたら本番の警備が厳しくなるだけだよな」
同意を求めるために灰原の方を見るコナンだったが、当の灰原は俯いたまま固まっている。
「どうした?」
「……爆発直後の……防犯カメラの映像……」
「何か写ってたのか?」
そんな一瞬の映像で判別できるなんてさすが灰原と思いつつ、ここまで緊張した雰囲気はまさか組織関連かとコナンも表情を固くする。
「一瞬だったし、見間違えかもしれないけど……あの人が……『ポアロ』で働いてる……確か名前は、安室透だったかしら……」
「安室さんが……!?」
コナンの頭の中に先程のニュースで警察官の中に死傷者が出たという言葉が蘇る。安室がいたということはそこに居たのは公安の関係者に違いない。コナンは、はっとして自分のスマホを取り出すとある事件がきっかけで知り合った公安関係者、表向きはミステリー作家であるさくらに電話をかける。
「……くそっ、出ねぇ」
「あなたが気にしてるのは月城さんかしら?確か彼女は内勤が中心だったわよね。この爆発騒ぎの対応に追われているのかもよ」
「確かに」
灰原の冷静な分析にコナンは頷くと、本当に忙しいなら落ち着いたら連絡が来るであろうとコール音が鳴り続ける電話を切った。