第5章 真実への道
恐怖と、解放された安心感から、私はその場に座り込んでしまった。
それを見たロナルドは駆け寄り、静かに強く、私を抱きしめた。
「ごめん。クロエちゃんのこと守るって言っておいて、このザマだ」
その状態のまま、ゆっくり頭を撫でられる。
「大丈夫。私こそ、足引っ張っちゃって、ごめんなさい」
「そんなこと……!」
ロナルドは抱きしめていた腕を解き、私の顔を見た。
後ろに流していた彼の髪は、先程の戦闘で、ほとんど普段と同じになっていた。
「俺が、クロエちゃんの力になりたいと思ってしていることなんだし、そんな風に言うなよ」
彼は哀しげな表情をして、でも少し微笑んでいた。
その彼の瞳から、目を離すことが出来なかった。
「俺はお前を……クロエを、この手から離したくないから」
胸がトクンと鳴った。
「だから、他の誰の所へも行くな」
ロナルドは再び、私を抱きしめた。
彼の匂いや温もりを直接感じられることが、すごく嬉しかった。
「今日は疲れたよな。帰ってゆっくり休もう」
そう言った彼は、優しい笑みを浮かべていた。