第2章 残酷
五十鈴と引き離されて、施設からこっそり抜け出してきた。そして五十鈴が入院している病院まで走っていき、病室を一つ一つ回っていくと『五十鈴』という文字が入っている部屋を見つけた。
がらっとドアを開けると病室のベッドで寝ている五十鈴。
その寝顔を見て安心しました。
「起きてください、五十鈴」
そう言いながら僕は五十鈴の頭を撫でた。
僕の家族、もう五十鈴しかいないんです。
この時はそんなことを思いながら
五十鈴が起きるのを待っていました。
どれぐらい待っていたか分かりません。待ちくたびれて床で眠っていました。
「きれい…」
五十鈴の声が聞こえて起きると
五十鈴は上半身を起こして夕焼けに染まる空を眺めている五十鈴が目に入った。
「五十鈴」
僕が呼ぶと五十鈴は振り返る。
海のように深い青い大きな瞳に僕の姿が映る。
「会いたかったです…!!」
抱きつきたくて1歩ずつ五十鈴の元へ行こうとした時、
「…えっと、どちらさまですか…?」
五十鈴の口からそんな言葉が出てきた。
「…そんなことはないですよね…?
僕のこと忘れるわけないです!!」
僕は思わず叫んだ。これは夢だと思いたかったです。
そこから出ていこうとした時
「あ、待って…!」
五十鈴は僕の腕を掴みました。
振り返って五十鈴を見ると
「あの、もしかして飼いビトのときの…?」
彼女は恐る恐る口を開いた。
「…」
僕はただその姿を見ることしか出来なかったです。
「…ご、ごめんなさい。私、酷いこと…えっと、たくさんの人を殺してきたショックみたいで…記憶がないの…」
「人を殺すことは酷い話ですか?」
「え…?」
五十鈴は驚いていた。
どうしてそんな顔をしているのか僕には分かりませんでした。