第2章 残酷
『玲ちゃん』
僕のことをそう呼ぶ五十鈴がとても好きでした。
僕はもう玲ではないですが、また会えるなら会ってみたいです。
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五十鈴とはママのところで会いました。
この日は家でママの帰りを待っていた。
「ただいま、玲ちゃん」という声。
「ママおかえりなさい」と出迎えると、ママの後ろに知らない女の子がいました。
「ママ。この子、誰です?」
そう訊ねるとママがふふと笑いました。
「新しい家族よ。
玲ちゃんとは対象的でとっても可愛いでしょう」
“対象的”その言葉を聞いて彼女をまじまじとみました。
海のような青く大きな瞳、髪は烏の濡れ羽色
真紅のような赤い目と雪のように真っ白い髪の色の僕とは反対の子でした。
「はい、とっても可愛いです。
はじめまして、僕は玲といいます」
僕から自己紹介すると恥ずかしそうに
「…五十鈴です」と言いました。
「もう恥ずかしがっちゃって」とママは微笑んでいました。
これが僕らの出会いでした。
「わぁ、すごいです!」
僕の見よう見まねでナイフを扱う五十鈴。
元から身体能力がよく、僕の動きに付いてこれた。
「すごいのかな…?」
首を傾げる五十鈴。
「はい、きっとママに褒めてもらえます」
そう言うと五十鈴はキラキラした目で
「ママに褒められるの?
たくさん覚えるね!」と言った。
それからすぐに五十鈴は
解体屋の五十音として僕と肩を並べるレベルになった。
「とてもたくさん狩ったね」
「はい、そうですね。
ママにたくさん褒められますね」
「やったあ!
玲ちゃんも私もたくさん褒められるね」
僕たちは笑いながら部屋の中でママが帰るのがを待っていた。
こんな幸せな日が続けばいいのに
なんて思っていました。