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Beautiful world / 東京喰種

第4章 再会


アカデミーを卒業する前に自分の部屋を片付けた。
元々部屋には物を置かなかった。物欲も特になく、必要最低限のものしかない。部屋の片隅に置いてある3箱で収まった私の私物が入ったダンボールの中をみてみる。どれもこれも家族との思い出ってないんだな…。と思わさせる。
「…なにもないな…」
ぼそっと呟いた。悲しいとか、虚しいとか、なにも思わなかった。

そしてゴミ袋にいらないものを入れていくと、クローゼットの奥から見覚えのない古びたお菓子の缶。
何が入っているのか覚えてなく、そのお菓子の缶の蓋を開けてみると、鈴が付いた赤いリボンが入っていた。

それを手に取ると懐かしい音が聞こえる。
リンと鳴った鈴を見ていて
『五十鈴、似合いますよー。僕とお揃いです』
『玲ちゃんと同じ目と同じ赤だね』
『はい、僕は五十鈴と同じ目の青いリボンです』
そんな会話を思い出した。

「あれ?なんで…」
その鈴を見ていて思わず泣いていた。

お菓子の缶の蓋を開けてそのリボンを戻し、そしてその缶をダンボールに入れる。
(これが私の思い出なんだろうか…)
そう思うと、そのリボンが残っていたことがとても嬉しかった。

卒業するまであと残り僅かだなと思いながら、部屋のものを片付けていった。
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