第4章 再会
無事にアカデミーを首席で卒業した。このことは私にとって誇らしいものに見えてきた。
なにもない部屋に「行ってきます。今まで有難う」と挨拶する。この狭い部屋が唯一、この家で私が居ていいところだった。
明日からシャトーと呼ばれる寮で暮らすのだ。今度こそ居心地のいい所だといいなと思いながらその部屋の扉をバタンと閉める。
リビングに向かうと両親がいる。多分、この家族にはもう会わないだろうと思い
「お母さん、お父さん、今まで有難うございます」と言うと
母親は「いいのよ。
五十鈴がCCGだなんてすごいわ」と言われた。しかし、その目には私の姿は入らないように見える。
「母さん、もうそれを娘のように振る舞うな」と父親が言った。
「でも…あなた…」
私を見た父親。
久しぶりに私を見たのだ。昔、優しく接してくれた父親ではなく、気持ち悪いものを見るような視線だ。
そして一言、
「もう二度とこの家に来るな。化け物」と言った。
「大丈夫です。もう来ませんから」
私はそう言うと急いで玄関に向かった。靴を履いている時に
「はは、化け物だって!傑作!!」と妹に言われる。
それを無視して家から出ていった。
「この家にはなにもなかったね」
そう言うとCCGの本局まで向かった。
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本局のロビーまで来た時、佐々木一等の姿を見つけた。
呼ぼうとした時、パタパタとこっちに向かってくる足音。
振り返る時間もなく、何かに思い切り抱きつかれ倒れ込む。
「痛…」
起き上がるりようやく振り返り、抱きつかれた人を見る。綺麗な黒色。そして私の顔を見る赤い目。
(あれ…?何か知っている…)
「…五十鈴ですよね…?」
そしてその子はにっこり笑った。そして、私はゆっくり口が動いた。
「れいちゃん…」
断片的にしか思い出せない彼の名前を呟いた。