第3章 居場所
家庭訪問の日。
赤城さんの担任の片岡先生と一緒に赤城さんの家を訊ねると赤城さんが出迎えてくれた。
「あれ?佐々木一等…?」
「ごめんね。無理言って来ちゃった」
そう言うと赤城さんは笑って「どうぞ」と僕らを家に招き入れた。この時、普通の民家なのに微かな血の匂いがした。
「いらっしゃい。こちらにどうぞ」
赤城さんの育ての母親からそう言われた。しかし、彼女はどこか疲れているような雰囲気だった。
そして片岡先生が彼女の成績を褒めていく中、クインクス施術適正テストの話を出した。
「ここから僕が話します」
僕がそう言ってクインクスの説明をしていると
それまで普通に話を聞いてくれていた母親が変わった。
学費、就職活動…などの話、そして命を落とすかもしれない仕事のことを話していくとその人はたた一言
「あら、そうなの」と言った。
「人のためになるし…五十鈴はやりたいんでしょ?」
五十鈴さんを見る母親の目線はどこか冷たかく
『早くここから出ていってほしい』と言っているようだ。
赤城さんも「…はい」と静かに頷いていた。
いつも笑っている赤城さん。しかし、彼女から笑顔が消えて俯いていた。
その光景をみていると家族から虐待されていることがすぐに分かった。それを見てから赤城さんが傷つかないように僕が守ると決めたのだった。