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Beautiful world / 東京喰種

第3章 居場所



「これ…殴られた跡だよね?」
佐々木一等から言われた言葉に対して誤魔化すように
「えっと…。いえ、大丈夫ですから」
そんな言葉を並べた。しかし、涙は止まらない。

「赤城さんが大丈夫だったら泣かないよ」
佐々木一等はポケットからハンカチを出して私に手渡した。
「ありがとう…ございます…」
受け取ったハンカチを使って涙を吹いた。
「いいえ。どういたしまして」
優しく微笑んで、私の頭を撫でた。

なんだか、懐かしかった。

目をつぶって考えていると
『時雨はいい子さんですよ。
ママに褒めてもらう前に僕が褒めます』
そんな台詞が頭をよぎる。
時々思い出す雪のように真っ白い白い子。
その子が笑っていた。そんな光景が脳裏を過ぎる。

ぱっと目を開けると佐々木一等は
「どうしたの?」と少し驚いていた。
「いえ…なんでもありません…」
私はその問にそう答えると
「そっか。うん。ならいいか」と佐々木一等は呟いた。

この時、不意に佐々木一等に聞いてみたいことがひとつ出てきた。ただしかし、佐々木一等の気を悪くしそうで怖かった。でも恐る恐る口を開いた。
「あの、佐々木一等…お尋ねしたいことがあります」

「どうしたの?
なんでも答えるよ」
優しく笑った佐々木一等。

「佐々木一等は…自分が昔してきたことを全部忘れて
怖いとか思ったことありませんか…?」と佐々木一等に尋ねた。
彼は一瞬困ったような顔をする。
「うーん。そうだね…怖いとは思ったこともあるけど…僕は今、生きている時間が楽しいから」
佐々木一等は笑って答えた。

「…わ、私もいつかそう思いたい…」
囁くように呟いた。それを聞き逃さなかった佐々木一等は
「赤城さんならできるよ」
優しい目を向けて私に話しかける。

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