第3章 居場所
家族が出ていってからゆっくり起き上がる。
「学校…いかなきゃ…」と言って家から出て行った。
しかし、この時間に行って遅刻には変わりない。
体は痛くない。
でも心が痛く泣きそうな顔をしていることを
薄々気づいていた。
それだったら3時間目から出てもいいか…。
喰種捜査官になりたくないのに
CCGのアカデミースクールに通っているんだ。
これぐらいは許して欲しい。
そう思いながら学校の校門を潜った。
学校の後者の裏。
誰もいないし、誰も通らない。
サボるのにいい場所だった。
本当に誰もいないことを確認して
そこにカバンを置いて座り込んだ。
「…ひっく、ひっ…」
声を殺して泣いていた。
もう、いやだな…
この世界も、この場所も…
そんなことを思いながら泣き続けていると
「サボるのよくないよ」と話しかけられた。
ばっと顔を上げると
ときどき講師にやってくる佐々木一等がそこにいた。
「ささきいっと…」
「え!うそ!泣いているの!?
えっと…このときは…」
私の隣に座り込んで何かを考える佐々木一等。
「ごめん。なんて言って慰めたらいいか分からないや」
苦笑しながら私に話しかける。
そして私を見て彼は顔色を変えた。
佐々木一等は手を伸ばし、頬を撫でる。
「これ…殴られた跡だよね?」
佐々木一等は真剣な眼差しで私にそう訊ねた。