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憂鬱王子はキスをくれない. / ハイキュー

第1章 憂鬱王子はキスをくれない.



黒尾さんからの提案に私はフリーズした
話が全く見えてこなくて頭が混乱している
何故私が彼の彼女にならないといけないの?
嫌悪感をあらわにしながら彼の顔を見つめた

「 どうしてそうなるんですか … 」

「 俺のお陰でお前は変われたんだし
俺の言う事を聞いてくれても良いだろ? 」

「 そんなまた自分勝手な …
彼女なんていくらメイドでも無理ですよ 」

「 彼女っつても偽彼女な
お前の事が好きで言ってるって思ってる?
彼女が居るって分かればあいつも諦めるし
会社で群がってくる奴らも追い払えるし。
お前はただ俺の彼女のフリだけしといてよ 」

彼女のフリだけしとけってまた無茶な …
普通に彼女が出来たって知っても傷付くのに
その相手が私だなんてしれたら余計傷付く
黒尾さんに反論してもきっと無駄だろうな
でもまあ普通に振られるよりマシなのかも
それでも陽葵ちゃんが大丈夫かどうか心配だ

「 黒尾さんってモテるんですね 」

「 まあな
このルックスだし?まず女には困んねえな
でも相手すんの面倒だから丁度良いわァ
お前と俺は付き合ってるっつう事にしてて 」

「 拗れても私は知りませんからね? 」

「 大丈夫、大丈夫。
これであいつも目が覚める筈だろ? 」

先が思いやられるけど結局は2人の事なのだ
私がとやかく口を挟む事でも無さそうだった
彼はあくまで陽葵ちゃんを傷付けない為に
こんな事を思い付いたんだろうしから従おう

「 と言うか …
偽彼女は私じゃなくても良くないですか?
黒尾さんなら相手はすぐ見つかるでしょ 」

「 目の前にお前が居たからお前で良い 」

「 誰でも良いなら他に頼んで下さいよ … 」

「 美雨が良いから頼んでる 」

黒尾さんは私の目を真っ直ぐ見つめたまま
その視線を外そうとせず離してはくれない
そして初めて彼が私の下の名前を呼んだ事で
動揺したと同時にドキドキしてしまっている

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