第1章 憂鬱王子はキスをくれない.
「 詳細はまた後で説明するからね
ここが今日からは美雨ちゃんのお部屋だよ 」
私の部屋は階段上がってすぐの手前の部屋
扉を開けると可愛らしい空間が視界に入る
なんとまあ女の子らしい雰囲気の部屋である
私には似合わないピンクを基調としている
これを及川さんが用意したとは思えない
「 じゃあまずは化粧から直そっか
ドレッサーの前に座ってもらえるかな? 」
部屋には必要な家具はもちろんであるが
服やメイク道具まで周到に用意してあった
私が疎いのを分かっているからだろうけど
「 化粧されながら聞いてね
この家のメイドにはいくつかルールがある 」
・起床時刻は5時
・朝ご飯 7時 夜ご飯19時
・身だしなみには特に気をつける事
・帰宅時間は毎日確認をし食事の有無を聞く
・食事は普通通りみんなと一緒に食べる
・入浴は出来るだけ一番最後に入る事
・住人との連絡は専用端末を使用する
・住人の部屋は許可なく入ってはならない
・住人が望む事は拒んではならない
「 簡単に説明をするとこんな感じかな
私達が特に気をつけないといけない部分だと
”住人が望む事を拒んではならない”かな? 」
「 それって例えばどんな事ですか? 」
「 分かりやすく言えばHとか! 」
「 はい?! 」
驚いてしまい私はフリーズしてしまった
一体それはどうゆう事なんだろう?
それって漫画やアニメなんかで言う所の
体を使ってご奉仕します!的な感じなの?!
現実世界でこんな話なんてあり得るの?!
頭が一気に混乱してパニック寸前だった
「 陽葵ちゃんは … あるんですか? 」
「 住人の人とHした事あるよ
そりゃ男性がこんなにたくさん居るんだし
この仕事の割りが良いのはそのせいだしね
でもみんなイケメンだし全然苦じゃないよ 」
彼女は躊躇なんかもなく平然と質問に答えた
可愛い下着が仕事で必要ってそうゆう意味か
ってかそもそもそんな話聞いてません!!
やっぱりあの時にもっと問い詰めとけば …
もし体を求められてしまったらどうしよう?
どうしてこんなに狼狽えているのかと言うと
私は … 男性経験が無い 所謂 処女であるから