第1章 憂鬱王子はキスをくれない.
お風呂場に着くと服を脱ぐ様に指示された
私はため息をつきながら服を脱いでいく
黒尾さんはまじまじと私の体を見つめている
「 本当に胸でかくなってんな 」
「 そんな目で見ないでくださいよっ 」
手で体を隠しながら彼を睨みつける
服を脱ぐと風呂場の中へ連行されて
体をシャワーの水で濡らされていく
黒尾さんは私の背後に静かに立つと
首と背中に触れるだけの優しいキスを落とす
唇にはキスしないくせに他の所ならするんだ
そんな事を考えながら私はぼんやりしていた
すると突然肌にひんやりする感覚が襲った
「 ひっ … 何してるんですかっ?! 」
「 ローション塗ってんだよ 」
「 ローション … ?! 」
黒尾さんはやたらヌルヌルした液体を
私の体に躊躇する事なく塗っていった
ローションのせいで滑りが良くなったからか
手が私の敏感な部分に触れる度に腰が動く
「 あっ … んっふ 」
「 既に善がってんのかよ 」
「 … 違うっ! 」
何故かいつもよりも敏感になってしまって
我慢しようと一生懸命に耐えようとするが
堪えようとすればするほど声が漏れていく
黒尾さんは指をゆっくりと滑らせながら
敏感になった部分を執拗に触り始める
立たされたままだからか足がふらつく
「 こんなに固くして … へ・ん・た・い 」
黒尾さんに耳元で囁くように言われると
耳に息が吹きかかり私の体は身震いする
反応を見逃さない彼は静かにニヤリと笑い
私の耳の中へ舌をいやらしく這わせ始める
ヌチャヌチャと舌の這う音がダイレクトに
聞こえて私はその音にすら欲情してしまう
「 んふっ … はぁ 」
黒尾さんの事なんて本当は嫌いな筈なのに
セックスだけは他の誰よりも凄く上手くて
私の体が彼を欲しているのが腹ただしくなる