第1章 憂鬱王子はキスをくれない.
── それから1ヶ月経ったある日の出来事
「 美雨ちゃん、痩せたし雰囲気変わったな! 」
朝ご飯を食べている時に澤村くんが言った
私は1ヶ月で4キロもの減量に成功していた
ご飯は軽めに食べて毎日トレーニングをした
努力が遂に実り体はずいぶん軽くなったのだ
それともう1つだけ私の体に変化があった
「 てか胸がデカくなったよな?!
なんか美雨が一気にエロくなった気がすんの 」
木兎くんが目をギラつかせながら見ている
そう、私の胸が今更ながら大きくなったのだ
サイズが一気に2カップも上がってしまった
今まで異性に触られた事がなかったからか
女性ホルモンが刺激されてこうなったみたい
「 頑張って筋トレしたからだな 」
「 毎日頑張りましたよね、本当に。」
岩泉くんや赤葦くんが私を褒めてくれる
嬉しくてついつい頬が緩んでしまった
謝ってほしい黒尾さんは会話に入って来ない
「 そう言えば!
クロりんのモデルデビューは今日だっけ? 」
「 そうだよ!帰って来たら写真見せるね 」
今日は前に話してた陽葵ちゃんと黒尾さんの
ブライダルのパンフレットの撮影日である
及川さんが気を遣ってくれメイドの2人共
お休みにしてくれたので今日は私もオフだ
みんなの夜ご飯は出前をとる事になっていた
「 黒尾!お前ちゃんとして来いよ?! 」
「 分かってる
俺が格好良くキメてきてやるって! 」
「 鉄くんは背が高いからスーツ似合うよ! 」
陽葵ちゃんは凄く嬉しそうにはにかんでいる
彼女が浮かれてしまうのも無理はないか
デートみたいなものだし1日一緒なんだから