第1章 憂鬱王子はキスをくれない.
「 でも今日は初めてだから
初級編って事にしておいて軽めにしよう 」
赤葦くんはそう言ってクローゼットの中から
紐とアイマスクを取り出してニヤリと笑う
なんとなくそんな気はしていたんだけれども
彼はきっとSかMかで言えば恐らくSなんだ
普段だったらSMプレイなんかするのかな?
服を脱がされてベッドの上に移動すると
されるがまま手首を紐で硬く結ばれてしまう
そして目元はアイマスクで覆われて真っ暗だ
何も見えていないし私に自由なんて無かった
赤葦くんの手がゆっくり胸元を触り始める
見えないからかいつもより体がゾクゾクする
「 んっあ … ん 」
「 まだ何もしてないよ 」
次に何をされるのか全く予想がつかない
私の手首は紐によって拘束されているわけで
赤葦くんがどこにいるかすら分からないのだ
彼の手が太ももに触れるとピクリと体が動く
今、足を広げられているのは感覚で分かった
まじまじと見られているのか触れてこない
恥ずかしくて足を閉じようとしたが拒まれた
「 閉じないで開いててよ 」
まだ大して何もされていないのにも関わらず
私のアソコはじんわりと湿ってきている
彼は観察が済んだのか舌で掻き回し始めた
「 あぁっ … はっん 」
彼はいやらしい音を立てながらしゃぶりつく
いつもより腰が動いてしまう気がしていたが
視界が遮られている分 羞恥心はそこまで無い
「 こんなに濡らして興奮してるの? 」
ベッドが軋んで彼が起き上がるのが分かった
すると突然、扉をノックする音が部屋に響く
「 そのまま待っててね 」
誰かが彼の部屋を訪ねてきたみたいだった
その人物とひそひそと何かを話しているが
内容までは聞こえず誰かすらも特定出来ない
直ぐに扉が閉まる音が聞こえベッドが軋んだ