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憂鬱王子はキスをくれない. / ハイキュー

第1章 憂鬱王子はキスをくれない.



今日の陽葵ちゃんはなんだかご機嫌だった
人は恋をするとこんなにも胸が高鳴るのか
私は恋とは無縁だからよく分からないけど
楽しそうでいいなあと彼女を見て思っていた

「 美雨ちゃんは何歳で結婚したい? 」

リビングの床を拭きながら彼女が尋ねた
結婚なんて現実的な事は考えた事が無いや
恋愛すらした事が無いから仕方ないのかも

「 まだよく分かりません …
陽葵ちゃんは何歳で結婚したいですか? 」

「 私は早く結婚したいんだぁ
子供だって欲しいし出来るだけ早くしたい
でもその前に彼氏作らないといけないね 」

「 陽葵ちゃんは黒尾さんが好き … です? 」

私は思い切って陽葵ちゃんに質問してみた
彼女は一瞬驚いた顔をした後で頬を赤くし
私の顔を見つめながら黙ったまま1度頷いた

「 バレバレだよね …
鉄くんの事は前から気になってたんだよね
前に駅前を歩いてたらしつこくナンパされて
付きまとわれて困ってた時に通りかかった
鉄くんに助けてもらった事があったんだよね
家に帰るまで私と手を繋いでくれてたんだよ
それからずっと鉄くんの事が好きなんだあ 」

あの黒尾さんが家に帰るまで手を繋いだ、か
あの人は外でベタベタするの苦手そうなのに

── もしかしたら黒尾さんも彼女の事が …

「 黒尾さんに気持ちは伝えないんですか? 」

「 伝えたいなとは思うけど
鉄くんがどう思ってるか分からないから …
もしフラれて気まずくなるのも嫌だから
確信が持てないと伝える勇気が持てなくて 」

確かにフラれてしまえば家に居づらくなるか
黒尾さんも何考えてるか分からないもんね
わざわざ手を繋いで帰ってくれるくらいだし
彼も陽葵ちゃんの事が好きなんじゃないか?

「 最近避けられてる気もするし …
やっぱり私って脈なしなのかなあ? 」

「 そうなんですかね …
でも嫌だったらモデルの話も断るんじゃ? 」

「 マイナスに考えるの良くないねっ!
鉄くんは今彼女は居ないらしいし頑張る! 」

陽葵ちゃんはニコッと笑いながら床を拭く
黒尾さんは嫌いだけど彼女の恋は応援したい
私も出来る限り協力しますねと彼女に伝えた

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