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憂鬱王子はキスをくれない. / ハイキュー

第1章 憂鬱王子はキスをくれない.



「 よし!じゃあ行くか! 」

玄関でスニーカーの紐を結んで立ち上がる
木兎くんはピシッとトレーニングウェアを
着こなしランニングシューズの出で立ちだ
私はTシャツにハーフパンツにスニーカー
スニーカーは普段履きでランニングに不向き
持っていないので仕方なく我慢するしかない

「 近くに運動公園あるからそこに行くか! 」

「 はいっ! 」

街灯も少ない夜道を2人で並んで歩いて行く
住人の人とこうして外を歩くのは初めてだ
だから何故だが妙に緊張してしまう私が居た

「 美雨は何でダイエットなんかすんの?!
美雨は色気ムンムンな感じじゃねぇけどさ
逆にこの幼い感じが良いんじゃねぇの?!
背も小さいし素朴な雰囲気が可愛いじゃん 」

彼の狙っていない素直な言葉は嬉しかった
そのままの私を受け入れてくれてる気がして
この人は思ったことは口にしちゃうタイプ
でも本当は優しくて良い人なのかもしれない

「 ありがとうございますっ
私は黒尾さん達の事を見返したいんです!
痩せて暴言の数々を謝らせたいんですよ 」

「 あいつは口悪いからなあ─!
そういや、もうその敬語やめてくんない?
一緒に住んでんだし家族みたいなもんだろ?
俺、気使われんの性に合わねぇんだよな! 」

「 あ … はい、うんっ 」

一緒に住んでいるから家族みたいなものか
私には身寄りがないからその言葉は感慨深い
ムズムズする様なくすぐったい気持ちになる

家から10分程歩き運動公園に到着した
木兎くんから走り方やフォームを教わった
公園はぐるっと1周出来る作りになっていて
その1周がだいたい1キロあるんだとかで
木兎くんから私はまず5周走る様に言われた

「 俺は10周走るからな!
とりあえず目標はお互いに1時間だな
自分のペースで良いから頑張って走れ! 」

「 分かりました! 」

「 走り終わったらこの場所で待機な! 」

運動公園は明かりがたくさんあるし人も居る
だから走る時は別行動でも大丈夫そうだった
彼のペースには絶対についていけそうにない

走り始めると彼の姿はすぐ見えなくなった
相手はプロのスポーツ選手、そりゃそうか
私は運動なんて今までしてこなかったから
少し走るだけでも体力はすぐに奪われた
まだそんなに進んでいないのに息は上がる

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