第1章 憂鬱王子はキスをくれない.
PM 20:00
ラフな格好で岩泉くんの部屋を訪れていた
彼の部屋はジムのトレーナーだけあって
筋トレグッズがあちこちに置いてあった
「 じゃあ始めるか!
まずはスクワットからやってくか! 」
まずは岩泉くんがお手本になってくれて
どこを意識するかなどを丁寧に教えてくれた
一般的な普通のスクワットとはやり方が違い
両手に重りを持ち負荷をかけた状態で行う
このスクワットを20回3セットやっていく
「 うわぁ──っ キツイ … 」
「 頑張れ!美雨なら出来るぞ!」
岩泉くんは何度も私に声援を送ってくれる
これは1人だったらこなせそうにないから
岩泉くんが居てくれて本当に良かったと思う
スクワットが終わった後は足がパンパンだ
「 これすげ─効果出るから楽しみだな 」
「 そうなんですか、キツイですもんね 」
「 じゃあ次は腹筋しますか! 」
岩泉くんに教えてもらった3種類の腹筋
これをそれぞれ各20回 3セットずつ行う
私がゆっくりと床に仰向けになり寝そべると
彼は私の足を強く掴み体を密着させホールド
トレーナーさんだけあってその体は筋肉質だ
腹筋を開始すると私の体が起き上がる度に
岩泉くんの顔が目の前にあり少し恥ずかしい
彼は真剣な顔をして居て何も感じていない様
「 んっ─っ!はぁあ … 」
「 次ラスト!頑張れ! 」
最後の1回を終え息が乱れたまま倒れこむ
すると岩泉くんが良く頑張ったな!と言い
私の体に覆いかぶさりながらニカッと笑う
きっと企みもいやらしさもない行動だと思う
ただ密室で男女2人がこんな体勢で居るのだ
2人の間に変な空気が流れても無理も無い
「 すまん!そうゆうつもりじゃ … 」
「 だ … 大丈夫です!気にしないで下さい 」
「 じゃあ … また次は土曜日にな! 」
岩泉くんは照れて居るのか耳を真っ赤にした
にしても本当に私に手は出してこないのかと
その事につい感心してしまうのであった
筋トレが終わると木兎くんの部屋に向かった