第1章 憂鬱王子はキスをくれない.
服を着ている状態じゃ分からなかったけれど
意外と筋肉がある事に密かに驚いてしまった
「 ん──っ … そこっ 」
指を使い凝り固まっている部分を押すと
及川さんは気持ち良さそうな声を出した
彼があまりに艶っぽい声を出すもんだから
なんだか私も変な気分になってきてしまう
「 あぁあ … 美雨ちゃん上手じゃん 」
「 気持ち良いですか? 」
「 うん … いい感じだよ
美雨ちゃんにもマッサージしようか?
家事でも結構ハードだし体疲れてるでしょ 」
「 しなくて良いですよ!
私がしてもらうなんて申し訳無いです 」
「 良いの良いのっ!
選手交代!早くうつ伏せで寝そべって? 」
言われるがまま今度は私がベッドに寝そべる
及川さんは私の上に跨り大きな手で触れた
私も凝っていたのか背中の辺りを揉まれると
ほぐされるのが気持ちよくて自然と声が出た
「 あっ … 気持ちいぃ … です 」
「 意外と美雨ちゃんも凝ってるね? 」
及川さんの手がショートパンツから出ていた
私の太ももに前触れもなく優しく触れ始めた
── あれ … 体がとろけそうなくらい熱い
私の体はどこかおかしいのかと思うくらい
体の奥が熱くなってき汗がじんわり吹き出す
彼の手つきに合わせて腰が動き始めてしまう
「 美雨ちゃん どうしたの?」
「 体が熱くて … 何かおかしいです … 」
「 ちょっとこっち向いて?
暑いなら服脱いだほうが良いんじゃない? 」
体を仰向けにすると及川さんは覆い被さり
私のパジャマを丁寧に引き剥がしていった
頭がぼんやりしていてハッキリしない思考
一切何もしていないのに突然荒くなる呼吸
一気に下着姿になったけど抵抗は出来ない
「 ヤラシイね、美雨ちゃん
さっき飲んだ水には媚薬が入ってたんだよ
だからこれからたくさん気持ち良くなるよ 」
── 媚薬 … そんなものが入っていたの?
媚薬なんてものはもちろん飲んだ事は無い
そんなの飲んで私の体は大丈夫なのかな?
彼は胸を揉みながら耳の辺りを舐め始めた
「 ひゃう … っ!? 」
吐く吐息がダイレクトに耳に当たっている
舌が這う音だって私の耳に鮮明に聞こえた