• テキストサイズ

憂鬱王子はキスをくれない. / ハイキュー

第1章 憂鬱王子はキスをくれない.



その後 洗濯物にアイロンを掛けていると
リビングルームに及川さんが降りてきた
及川さんは会社の社長であるのにも関わらず
こうして家に居ることがしばしばあったのだ
彼曰く休息も仕事の一種であると言っていた

「 仕事には慣れてきた? 」

「 はい、少しずつですが慣れてきました 」

「 随分クロりんに気に入られちゃったね 」

「 と言うか …
どちらかと言えば虐められてるのかと … 」

黒尾さんが私を気に入っている訳がないのだ
もしそうならもっと優しくするはずだからだ

「 気に入ってると思うけど!
クロりんはそれなりにモテるし女癖悪いけど
ああ見えてメイドに手出した事無いんだよ 」

「 そうなんですか?!
陽葵ちゃんにも手出した事無いんですか?
あんなに可愛くて私より色気もあるのに? 」

「 無いよ
陽葵ちゃんには絶対手を出さないだろうね
だって彼女はクロりんの事が好きだからさ 」

「 へ?! 」

陽葵ちゃんは黒尾さんの事が好きなの?!
私は全く以ってその事に気付かなかった
確かにそう言われてみればそんな節もあった
黒尾さんの話をする時は楽しそうにしていた
私と彼が一夜を共にした事を知った時だって
どこか悲しそうにしているような気もしたし

「 気付かなかったの?
クロりんも多分気付いてるんだと思うけど
あえて知らない振りしてるのが見え見えで
見てる分には面白いけど陽葵ちゃんがね … 」

「 彼女が居るとか?
黒尾さんはどう思ってるのでしょうか? 」

「 クロりんに彼女は居ないよ
陽葵ちゃんをどう思ってるかは分からない
ただ美雨ちゃんをお気に召しているみたい
美雨ちゃんは今まで居ないタイプの子だから
なんか構いたくなっちゃうのかもだね? 」

勝手に三角関係に巻き込まれて無いか?
そもそも陽葵ちゃんじゃダメなのかな?

「 と言うか … やっぱり
黒尾さんってそんなに女癖悪いんですか? 」

「 モテるから選びたい放題でしょ
たまに帰ってこない事だってあるからね?
まあ俺の方がクロりんよりモテるけど! 」

及川さんがドヤ顔しているのをスルーした
彼女も居ないし自分を好いてくれる人も居る
しかもあんなにも女の子らしくて可愛い人だ
なぜ見て見ぬ振りをするのか理解が出来ない

/ 142ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp