第1章 憂鬱王子はキスをくれない.
夕方を過ぎ住人達がちらほら家に帰って来る
及川さんは今日は会食で遅くなるらしく
大地さんは仕事が終わるのが遅いらしい
今日は全員合わせて9人での晩ご飯のようだ
晩ご飯はやはり予想通りの秋刀魚の塩焼きだ
黒尾さんは自分の好物が晩ご飯な事もあって
やたら上機嫌で嬉しそうにニヤニヤしていた
「 やっぱり秋刀魚が1番うめえよな 」
「 これ食いにくいから嫌いやねん 」
「 お前はガキかよ 」
「 黒尾くんってジジ臭いと思わへん? 」
黒尾さんと侑くんが言い合いをしていたが
全員がスルーしながら晩ご飯を食べていた
今日は木兎くんも及川さんも居ないからか
リビングはいつもよりやけに静かに感じた
にしても今日は凄く体が疲れてしまった
今朝の騒動から腰はずっと痛くて怠かったし
瞼は重たくてひたすら眠たかったもんなあ …
今日はさっさと寝てしまおうと考えていた
まだ自分の部屋では寝た事がなかった私は
ゆっくり寝る事が今日1番の楽しみである
「 飯は目開けて食えよ 」
「 ちゃんと開いてますから大丈夫です 」
黒尾さんは私をからかう様に言ったけれど
フンッと彼から視線を外して遇らってやった
私はと言うとまだ昨日の事を根に持っていた
怒ってるんだから話しかけてこないでよね!
「 にしてもやっぱり静かだよな
あいつらが五月蝿いって事を再確認するな 」
岩泉くんがニカッと笑いながらそう言うと
みんなは確かにと共感しながら頷いていた
あの2人はきっとお調子者担当なんだろう