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憂鬱王子はキスをくれない. / ハイキュー

第1章 憂鬱王子はキスをくれない.



「 へえ … そりゃあ災難だったんだね
食事はともかくいつもどこで寝てるの? 」

「 お金があった時はネットカフェ …
ここ二日は公園のベンチで過ごしました
お風呂には入りたかったので銭湯に行ったら
残りの残金が無くなってしまいました … 」

公園のベンチは意外にも寝心地が良かった
夜の公園はやけに物静かで風が心地良くて。
ただ朝は健康に気を使う人達がやって来る
だから早々に退散しないと恥ずかしいのだ

「 お待たせいたしました 」

私の目の前に続々と料理が運ばれて来る
中でも一番目を引いたのはレアのステーキ
見て居るだけでご飯何杯でもいけそうだ
目をギラギラさせている私を見つめながら
彼は優しく微笑みながら召し上がれと言った

「 いっ … 頂きますっ! 」

ゆっくり箸を伸ばし念願のお肉を口に入れる
口に入れると香ばしい匂いが鼻から抜けて
噛むとやや弾力のある肉から強いうま汁が
溢れ出てきて口の中にじんわり広がっていく

「 美味しすぎて泣きそうです … 」

「 表情見てたらそれは分かるよ
メインはお肉だからライス欲しくない? 」

「 良いんですか?!
やっぱりお肉にはご飯が無いと … ! 」

なんとも図々しい女なんだろうと思われた?
でもやっぱりお肉にはご飯が合うんだもん
もう色々恥ずかしい話も彼にはした訳だし
この際、乙女モードはオフにしてしまおうか

とうとう念願のご飯が運ばれて来ると
お肉を乗せて一口で頰張るには無理がある
大きすぎるサイズを口の中に一気に押し込む
嗚呼、なんて幸せな瞬間なんだろうか …
美味しすぎて私の顔は緩みっぱなしだった

「 流石に良い食いっぷりだね
美雨ちゃんみたいな子はご馳走し甲斐があるね
俺、たくさん食べる女の子嫌いじゃないよ 」

私は彼の言葉が頭に入ってこない程に
無我夢中で出された料理を平らげていく
料理は全部美味しくて目が飛び出そうだった
私のリアクションにいちいち彼は反応した
そんなに私を見ているのが面白いのかな?

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