第1章 憂鬱王子はキスをくれない.
陽葵ちゃんは2人を見つめながら首を傾げ
不思議そうな表情を浮かべながら尋ねた
私も男性2人の顔を交互に見つめていた
「 おかえりなさい
2人が一緒に帰ってくるの珍しいね? 」
「 月島が髪切ってって言うから
切ってあげてそのまま一緒に帰って来た! 」
「 孝史くん、蛍
この子は今朝話してた新しい世話係ね!
美雨ちゃんで西側の住人のお世話するから
特に蛍は美雨ちゃんの事をいじめない様に。」
「 俺は菅原孝史でこっちは月島蛍な
美雨ちゃんって背が小くて可愛らしいね! 」
菅原さんは爽やかで可愛らしい見た目だ
肌も白くて綺麗でまさに美少年って感じだ
菅原さんに見惚れていたら月島くんが言った
「 キミ身長何センチなの? 」
「 150センチくらいです 」
月島くんはそう言うとニヤリと笑いながら
私の後頭部のつむじを指でぐいっと押した
「 痛っ … い! 何するんですか … 」
「 下痢ツボ押しやすいなあと思って 」
何だこの人は … 私はからかわれている?!
そもそも下痢ツボなんて久しぶりに聞いた
小学生の頃よくやられていた様な気がする
背が低い事をよくからかわれていたんだっけ
彼も私がチビな事をからかっているのか …
「 月島やめろってば
お前はすぐに人をからかうんだから 」
「 押しやすい位置なんですよねえ 」
「 もうすぐご飯だから着替えて来たら? 」
陽葵ちゃんが2人にそう声をかけると
それぞれ自分の部屋の階段を上がっていく
これで私がご挨拶していないのはあと1人だ
確かあの鶏冠頭の黒尾さんだったっけな …