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憂鬱王子はキスをくれない. / ハイキュー

第1章 憂鬱王子はキスをくれない.



「 ただいま 」

「 大地くん、おかえりなさいっ!
思ったより終わるのが早かったんだね 」

「 今回は業者が入ってくれたからな!
そちらは?今朝言ってた新しい子かな? 」

澤村さんって確か温厚で優しい人だっけ
彼は爽やかな笑顔で私を見つめていたので
私も澤村さんに軽く会釈をし自己紹介をする

「 初めまして、逢坂美雨です。」

「 俺は澤村大地です
分からない事は何でも聞いてくれな!
澤村でも大地でも好きな様に呼んでくれ」

「 はいっ!ありがとうございます 」

やっぱり澤村さんも凄く優しそうな人だ
どうやらいつもはこの時間は居ないそうだが
今日はお店の月に1回の定期点検日らしく
お店は閉めている為帰りが早かったのだとか
澤村さんは部屋に行くと言い残し立ち去った

「 大地くんは本当に優しいんだよ
プロの料理人さんだから料理も上手なの!
自分が暇な時は料理も手伝ってくれるし
大地くんが作るビシソワーズは絶品だよ! 」

ビシソワーズってどんな料理なんだろう?
お洒落な料理に疎い私はそれを知らなかった
プロの料理人が作る料理は美味しそうである
私も彼の料理をいつか食べれる日が来るかな

ハンバーグをフライパンに乗せ焼いていくと
この香りだけでご飯がたべられそうな程の
おいしい香りがリビング全体に広がっていく
香りが、空っぽのはらわたにしみてくる。

「 帰ったでえ── 今日ハンバーグかいな 」

ハンバーグを焼く音にかき消されてしまい
人がいる事に私達は全く気が付かなかった

「 侑くん、おかえりなさい 」

「 陽葵 ただいま── 」

侑くんと呼ばれた男性は帰って来て早々な
陽葵ちゃんに抱きつき唇を貪る様キスをした
目の前の光景に私はただ呆然と立ち尽くした
自分がされている訳じゃないのにも関わらず
私の頬は酷く真っ赤に火照ってしまっていた

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