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憂鬱王子はキスをくれない. / ハイキュー

第1章 憂鬱王子はキスをくれない.



家に帰ると俺達の写真を前にみんなが群がる
ちゃんと写真を見てみるとよく撮れている。
やっぱりこうゆう写真ってなんか綺麗だわ
リビングのテーブルでワイワイやっていると
誰かが帰ってきたのか輪の外から声がした。

「 みんなで何見てんの──? 」

菅原の声に群がっていた奴らが数人振り返る
振り返ったその中の1人である木兎の野郎が
突然大きな雄叫びに近い声をあげ始め驚いた

「 うおぉおお──?!美雨?! 」

「 はい … 叫び過ぎですよ … 」

木兎の五月蝿い叫び声に全員後ろを振り返る
全員が同じ様に口をポカーンと開いた状態だ
そこには別人の様にすら見えるおチビが居た

「 ジャジャ──ン!
俺の店のカットモデルやってもらったんだ
どう?どう?美雨ちゃん可愛いでしょ?! 」

俺はそのおチビの姿に一瞬だけ戸惑ったのだ
何故なら出会った頃の杏奈の姿に似てるから

うっすら茶色い髪にゆる巻きのロングヘア
出会った時の杏奈と同じ様な髪型だった。
なんならよく見ると顔も少し似てる様な …
おチビの方が若干幼い気もするけど似てる。

住人達は俺と出会った頃の杏奈を知らない
彼女と住人達が出会った時は髪だって短くて
それに髪の毛の色だって結構明るかったから
そこに居るおチビを見て杏奈に似てるなんて
誰もそんな事は思ってはいないだろうけどな

まるで杏奈を見て居る気分になり目を逸らす

「 これは見違えましたね 」

「 茶髪も似合ってんな 」

「 この及川さんと髪色お揃いになったね 」

「 女の子はこんなに変わるもんなんだな! 」

「 えらい可愛くなってるやん 」

みんな口々におチビの変わり様を褒めていた
どうして1日にこんなにたくさん杏奈の事を
思い出さなくちゃいけない事になるんだよ …
黙って会話に入ってこようとすらしない俺を
私の変身に驚いたか!としてやったりな顔で
見つめてきたおチビに対して俺はスルーした

「 美雨ちゃん、本当に似合ってるよ! 」

「 ありがとう、陽葵ちゃん 」

「 あ!そうだ美雨ちゃんもこれ見て見て! 」

陽葵がおチビに差し出したのは俺達の写真
そこには幸せそうな顔をして笑っている陽葵
はしゃぎながら写真を見て居るおチビを見て
まるで杏奈が戻ってきた様な感覚に襲われた

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