• テキストサイズ

憂鬱王子はキスをくれない. / ハイキュー

第1章 憂鬱王子はキスをくれない.



「 鉄くん!ちょっと待って! 」

「 ああ … 悪い、歩くの早かったな 」

小さい陽葵が俺の後ろを必死で付いてくる
何も考えないで歩いていたら気が付いたら
彼女を置き去りにしてしまっていた様だ。
歩く速度を落とし彼女のペースに合わせる

式場までは近くて徒歩で行く事になっていた
久しぶりに運動がてら歩くのは丁度良かった

「 今日って何時くらいに終わんの? 」

撮影がまだ始まってすらもいないってのに
終わる時間を気にするなんて俺って最低だな
そんな風に思いながらもつい口にしてしまう

「 確か夕方までには終わる筈だよ!
終わったらコーヒーでも飲んで帰る? 」

陽葵にとってこれはデートのつもりだろう
全ての願いを叶えてやりたいけど無理だな
だってやりすぎると無駄に期待させちまう。
だから1番デカイ願いだけしか叶えらんない

「 帰ったらやりたい事あるからまた次な 」

「 そっか … 」

「 そんな事で落ち込むなって
これから花嫁衣装着れるんだからさ 」

残念そうな顔をする陽葵を見つめながら
力なく微笑みながらゆっくりと歩いて行く
やりたい事なんてねえけど許せ、陽葵。

式場に着くまでの間は他愛もない話をした
ただし恋愛系の話は敢えて避け続けていた
なるべくおかしな雰囲気にならない為にだ
くだらない話をしていたら式場へと到着した

/ 142ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp