第1章 憂鬱王子はキスをくれない.
若くて恋愛経験が少ないからとゆう理由で
無駄に気を使わなければならないのも面倒だ
── あれ?なんか似た様な奴居たな …
「 なあ、1つ聞きたいんだけど
女にとって最初の相手って重要なわけ? 」
俺がした唐突な質問に隣に座っていた桜井は
飲んでいたコーヒーを勢い良く吹き出した
そんなに変な事聞いたつもりねえんだけど …
そう思いながら彼女にティッシュを差し出す
「 何 … 突然 …
まあ重要とゆうか大切にはしたいんじゃない
それよりもあんた、まだ遊び回ってんの? 」
「 一時期に比べりゃ大分減ったけど
ごく最近ヤッた奴がその処女だったわけよ
知らずに寝てる隙に処女奪ってしまってさ 」
「 それは嫌でしょ …
しかも相手が黒尾なんでしょ?最悪 … 」
「 お前な …
俺からすれば大した事じゃねえんだけど。
そう言ったらキレ出すし意味分かんねえ 」
最初の相手がそんなに重要なんだろうか?
入れちまえば関係ねえ気もするんだが …
やっぱり男と女じゃ感覚が違うもんなのか?
「 そりゃ怒るんじゃない?
相手が黒尾を好きな訳じゃ無いなら尚更
その子は行為の内容覚えてないんでしょ? 」
「 むしろ嫌われてっかもな
泥酔して寝てたから覚えてなかったみてえ 」
「 嫌われてんのによく手出せるね …
行為や何も覚えていないってのは嫌かもね
知らない間に処女じゃなくなってるなんて …
せめて覚えているならマシかもしれないけど
その子にはちゃんとお詫びした方が良いよ 」
桜井は呆れた顔で俺の方を見つめている
なんで俺があいつにお詫びしないといけない
納得がいかずにひたすら悶々と考えていると
俺の頭の中である名案がひらめいてしまった
「 また何か悪い事考えてない? 」
「 名案を思いついてしまった 」
「 それよりも
大野さんにちゃんと返事してあげなよ?
返事しない事の方が残酷なんだからね 」
「 はいはい 」
適当に返事をすると桜井はその場から去った
今日の夜おチビに昨日のお詫びをしねえとな
俺はあいつに普通のお詫びなんてしないけど
あいつにとって忘れられない日になるかもな
ニヤついてしまう顔を必死に堪えながらも
俺も再びパソコンに向き合い仕事を再開した