第3章 後編
そしてどれくら時間が経っただろうか、ユーリの反応が鈍くなった頃、漸くアーデンはゆっくりと指を引き抜いた。
濡れた指先をかざして眺め、それから自分の唇に運び舐めた。何の躊躇いもなく。
「…甘いね」
嘘か本当か半別のつかないことを平然と言いながら、乱れた呼吸が少しずつ落ち着いて行くユーリを、じっと見下ろしている。
その瞳には、欲望の色が浮かんでいた。
「おーい、大丈夫?まだまだこれからだよ?」
ベルトの金具に手をかけて、かちゃりと鳴らした。
心配するような問いかけだが、止まる気などないことは明白だった。
ズボンの前を開く衣擦れの音が響くと、布が落ち、晒されたものの大きさに、ユーリの視線が一瞬そちらに向き、何か言いたげに視線を戻す。
するとまだ余韻に浸っているユーリに覆いかぶさり、額にそっと唇を落とした。さっきまでの獣じみた目とは裏腹に、ひどく優しい仕草だった。
アーデンが力抜いて、と声を掛けると、ユーリの太腿を持ち上げ、自身を入り口に宛がう。
熱い先端が濡れた肌に触れた瞬間、ユーリは軽く息を呑んだ。
ゆっくりと腰を進めると十分に慣らしたとはいえ、この体格差なのですんなり入るはずもなく、アーデンはまだ先端しか入っていないが息を詰めて眉を寄せた。
久しぶりの体温の交わりに、アーデンの余裕ぶっていた態度が止まり、奥歯を噛んで衝動を抑える。
数秒の間があり、それからアーデンはユーリに体重を預けるように抱きしめながら、残りを一息で押し入れた。
「あぁ…!」
深く、体格差そのままに奥まで届く感覚に、ユーリは目を見開いた。
アーデンは深く息を吐くと、そのまま動かずユーリを抱きしめた。繋がったまま、静かにユーリが落ち着くのを待った。
すると少し経ち、ユーリの手が恐る恐るアーデンの背に回されたのを感じると、それを了承としゆっくりと腰を動かす。
引いて、押す。深く、緩やかな律動にベットが規則的に軋み始めた。激しさはなく、むしろ惜しむような動きだった。
一突きごとに奥を擦り上げ、その度に漏れる声を拾うように耳を傾けた。