第2章 ブロック②
「…ヤバ。思ったより興奮する」
ようやく舌を開放して唇を離した天童くんは、そう呟きながら私の部屋着の裾から手を入れてきた。あっという間にブラジャーまで辿り着いた手は優しく胸を触り出す。
「…くすぐったい」
「すぐ慣れるよ。もうちょっと強く触っていい?」
時間にしたら2~3分だと思う。ずっと胸を揉まれ続けてだんだんとくすぐったさが無くなってきた。体が熱く、息はお互いに荒い。でも不思議と興奮している彼を見るのは嫌じゃなかった。目が潤み、頬は紅潮して可愛いとすら思う。
「…可愛い、先輩。泣きそうなの?」
私と全く同じことを考えている彼に、愛しさすら感じる。
そうか。私もいま目が潤んでいて泣きそうに見えるのか。
「気持ちい、の」
「…処女なのに、感度いいんだネ」
フっと笑った彼はもう後輩に見えなかった。経験があるせいか私よりもだいぶ大人に感じる。もとから人を見下すようにしている彼にリードされるのが心地いい。私ってマゾだったのかな。
「…外すよ」
まるで恋人にするように大切に触られていた胸が、急に締め付けから解放される。手慣れている彼の仕草に鼓動はどんどん早くなる。
天童くんは指先で胸の先端にソっと触れてきた。途端にビリビリとした感覚が全身に駆け回る。これって気持ちいいってことかな。全身の感覚は鋭くなっていくのに、頭はボーっとなり思考が奪われる。
「…舐めていい?」
「え、」
私の了承が下る前に彼はもう服をたくし上げ、胸の先端を口に含んでいた。舌先で転がされる感覚に私は声をあげることしかできない。
「あ…それ、や…ん…」
「…気持ちいいんだ?チューとどっちがイイ?」
「……ちゅー…好き…」
「ん、素直だネ」
まるでご褒美とでもいうように彼は私の唇を指でなぞり、そっと親指を口に入れてきた。長くて綺麗な指。
私はこれから先、どんな人とセックスしても天童くんのこの綺麗な手だけは絶対に忘れないだろうなと、訳の分からないことを考えた。
天童くんの親指をそっと舌先で舐めると、彼は恍惚とした表情になった。ああ、きっとこういうの好きなんだな。
「…もう無理」
彼はそれだけ言い放つと、一気に唇を合わせてきた。あっという間にまた舌を絡め合う。