第6章 第三夜
手を差し出す奏
「あ…はい。助けてくれてありがとうございます」
「別にいいよ。あと財布」
「ありがとうございます!」
財布を受け取る少年にクスッと奏が笑う
「相当大事なものなんだね」
「はい。母さんが持たせてくれたものなんです」
「大事にしなよ」
「はい。あの…」
「ん?」
少年が奏に名前を聞こうとした時だった――
「ジャッジメントです!……って奏さん!?」
「あー…咲哉くん」
「……と要?」
「咲哉…」
どうやら咲哉とこの少年は知り合いらしい
少年の名前は水瀬要(みずせかなめ)
咲哉の同級生であり友達だ
「ところで…ここで大きい音がしたんですけど…。その後ろで倒れてる人たちは…」
「あー…えっと…」
咲哉に問い詰められ奏と要はお互いに説明する
「…ってワケ。ちゃんと手加減したわよ」
「ならいいですけど…。要は大丈夫だった?」
「うん。助けてもらったし…って咲哉はこの人と知り合いなの?」
「あぁ。ここじゃ何だし場所変えるか」
咲哉は魔法管理者の方に連絡を入れる
終わると三人は咲哉が所属してる第七地区のジャッジメントの建物に移動する