第6章 第三夜
「あれ?……痛くない?」
(え…)
少年は恐る恐る目を開ける
そこには奏が男の拳を受け止めている姿があった
「いいオトナが一人の男の子に三人がかり?」
「なっ…んだと!?」
奏は三人を見ながら余裕綽々とフッと笑いながら言う
「さっきとこの子の財布置いて去りなよ。……それともジャッジメントに捕まりたいの?」
「はっ!ジャッジメントなんざ怖くねぇよ!あんなガキしか居ねぇところなんか」
「オレたちにはこれがあるからな!!」
すると、一人の体に電撃を纏う
(……能力者か)
「あ…危ないですよ!」
少年が奏に背中越しに言う
「大丈夫よ。すぐ終わるから目瞑ってな」
「え…あ、はい」
振り向いてニコッと笑う
奏の言葉と信じて目を瞑る少年
「なっ…なんだコイツつえーぞ!?」
「いでででっ!!」
「わ…わかった!財布は返すから勘べ…」
男が言い終わる直前、ドンッ!!と大きい音が響く
(なっ…なにが起こったんだろ…)
「終わったから目開けな」
「はい…」
恐る恐る目を開ける
「え…」
少年が見た光景は三人が倒れている姿だ
「いきなり驚かせてごめんね。立てる?」